親環境フォトセラミック材料化学論分野 許健助教の第79回(2024年度)日本セラミックス協会進歩賞受賞が決定しました。
日本セラミックス協会進歩賞は、将来のセラミックス分野をになう若手研究者で、セラミックスの科学・技術に関する学術上優れた業績を挙げたものに贈られる賞です。
表彰式は、2025年6月5日に開催される予定です。
■受賞業績名:真空準位基準束縛エネルギー図に基づいた新規長残光蛍光体の開発
■業績概要・受賞者からの一言:
通常の蛍光体(希土類・遷移金属イオンなど賦活した無機発光材料)は、紫外線など蛍光を促す信号が遮断されると発光が減衰・消失し、蛍光寿命は長いものでもミリ秒単位でしか維持できません。一方、長残光蛍光体は、励起源を遮断後も数秒から十数時間といった長時間発光が続き、光エネルギーを貯めることができ、「光学バッテリー」と呼ばれています。そこで、ホスト材の希土類4f基底・励起準位の真空準位基準束縛エネルギー図を活用し、理論モデルの予測から強い残光輝度・長い残光持続時間を示す一連の新規可視-近赤外残光蛍光体の開発に成功し、受賞に至りました。将来的に、光の機能を活用して親環境技術を可能とする次世代のフォトニクス技術に貢献するセラミックス無機材料の開発や持続可能な社会の探求につなげていきたいです。
■授与団体:公益社団法人日本セラミックス協会
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