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地球親和技術学廊

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環境調和型産業論

越後 信哉 教授
田中 周平 准教授

日本は、60年代、70年代の深刻な公害を克服し、世界的にもトップ水準の環境先進国になった。その間には、技術開発、ノウハウ蓄積、法律整備、施策実施など、具体的に環境問題を解決する多数の知識・技能・経験を得ている。その一方、近隣アジアの途上国では依然、劣悪な環境問題が多数存在し、日本の経験があまり生かされていない。技術移転のための国際教育と現場に即した実践教育が日本では不足していたためである。地球文明の持続性を達成するためには、産業形態を環境調和型に変換する必要がある。さらにグローバル化する問題を解決するためには地球親和型の技術開発およびその展開が必要となる。

本分野では、実際の環境政策に資する基礎及び応用研究を行い、環境問題の解決でリーダーシップを発揮する人材育成を目指す。特に、水質分析・水処理技術、微量汚染物質の分析・処理技術、さらにはデータサイエンスの諸技法を駆使し、水環境の保全・管理、水インフラの合理化、物質の循環利用の促進、省エネルギー産業の構築、国内外の水衛生問題の解決等を調査・実験と数理モデルによる解析の両面から考究する。

研究室Webサイト

社会基盤親和技術論

勝見 武 教授
髙井 敦史 准教授
加藤 智大 助教

地盤は、生活・社会の基盤としてだけではなく、地下水の涵養域、廃棄物の処分地などの様々な役割を担っており、次世代に引き継がねばならない人類の貴重な財産である。本分野は、地盤環境の保全、修復のための社会基盤創生技術を開発するとともに、環境社会システムとの関係において学際的に考究する。

具体的には、人間活動で排出される廃棄物や建設発生土、自然災害に伴い発生する災害廃棄物を適正に処理、利活用するためのハード・ソフト的開発や、遮水工や廃棄物地盤の適切な評価に基づく廃棄物処分場の整備、跡地利用に関わる研究を実施する。さらには、廃棄物や有害物質で汚染された地盤の浄化技術と再利用法の開発ならびにその環境影響評価に関する研究などを行い、持続可能な地盤環境の保全、修復を目指す。

本分野では、個別技術の開発や高度化に力点を置きつつ、社会コストや規制影響などを考慮した社会実装のためのフレームワーク整備にも注力しており、巨大自然災害や複雑化する地盤環境問題にも対応しうる強靱な社会システムの実現を目指している。

研究室紹介インタビュー
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人間環境設計論

小林 広英 教授
落合 知帆 准教授
杉中 瑞季 助教

変容著しい現代社会において、地域の文化や風土から持続的人間環境のあり方を追求する。美しい自然から災害を起こす自然まで多様な姿 で示される地球環境の実相と、それらに対応してきた持続的な人間環境の構造を、実際の都市や集落から学ぶ。得られた知見や知識を施策、 計画、デザインとして具現化し実践的な社会適応を試みる。

■地域に根ざす設計技術
現代社会の文脈における住まいや暮らしの再構築・発展的継承のために、環境デザインやソーシャルデザインの思考と方法を提示し実践的試行をおこなう。

■地域に根ざす人間居住
自然環境と共生する集落や、多様な文化を内包する歴史都市のフィールド調査から、バランスある人間環境構築の知恵と実践のしくみを解明し、その持続可能性を探求する。

教員・研究紹介
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分野紹介動画

生物多様性保全論

市岡 孝朗 教授
西川 完途 教授

地球上の生命はそれぞれ他の生命との相互作用の上に成り立っており、複雑な生態系を構成している。生態系の構成要素の基本単位は種であり、さらに種内には遺伝的な多様性もあり、種間の生態的関係の多様性もある。これらはまとめて生物多様性と呼ばれる。1992年に国連環境会議で提案された生物多様性条約以降、広く一般に知られるようになったが、まだ十分理解されているとは言い難い。本分野では生物多様性をキーワードにして、研究対象は植物から動物まで、現在の地球環境問題や多様性の保全問題について理解を深め、解決を目指す人材の育成に取り組む。

研究室紹介インタビュー
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景観生態保全論

今西 純一 教授
深町加津枝 准教授
貫名 涼 助教

1) 豊かな自然を守る=自然保護
2) 劣化した自然環境を復元する=緑化
3) 健全な緑を育てる=緑地計画と緑地管理

この3つが本分野の大きな目的です。対象とするのは、身の回りの空間から、都市緑地、里地、山地、さらに世界各地の、砂漠化地域まで広がっており、生物多様性の保全と人間活動の調和に関する技術の開発、理論の構築、手法の提案など、現実の課題に対応した研究を行います。ランドスケープ(自然的要素と人間活動によって、歴史的に形成されてきた秩序)の科学をランドスケープ・エコロジーといい、その実践領域であるランドスケープのプランニング、デザイン、マネージメントも取り扱います。いま、生物親和型の環境デザインや、生態系サービス評価に基づく自然環境のプランニングが大きな課題です。

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元素材料化学論

田中 一生 教授
権 正行 助教
伊藤峻一郎 助教

高分子材料は我々の身近なところから、車、飛行機、光学・電子素子など最先端のデバイスにまで応用が広がっています。一方、これらの高分子を構成する元素は、炭素、水素、酸素など未だ一部のものにしか過ぎません。様々な元素の特性を理解し、自由自在に使うことができれば、既存の材料の高機能化のみならず、新奇の物性とそれに基づく材料創出につながることが期待されます。そして、これまで偶然にしかできなかった材料をゼロから設計することや、既存の枠組みでは説明ができない現象の発見とその原理の解明も期待されます。このような考えの元、様々な元素から成る機能の最小単位である「元素ブロック」、有機と無機をナノレベルで融合させた「無機高分子」「有機-無機ハイブリッド」、プログラムに従って無機成分を高分子中に配置し機能を発現する「複合材料」をツールとして、元素の新しい“顔”を発見することと、それらの新機能を材料化して世の中に出すことを目指し、研究を進めています。

代表的な研究テーマ

  • “不安定”を安定化することで生まれる新機能
  • “励起元素の周期表”の構築
  • “人工物模倣”という生体関連材料設計の新しい考え方
  • “励起駆動型錯体”を基盤とした発光クロミズム材料のゼロからの設計法確立
  • “小さな”近赤外発光色素の設計法確立とテーラーメイドの材料開発

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