本学は,指定国立大学法人構想の柱の1つとして掲げた「柔軟かつダイナミックな体制による知の創造」を実現する取り組みとして,海外の大学や研究機関と共同で現地運営型研究室(On-site Laboratory)を設置しています。地球環境学堂は,2018年からマヒドン大学と共にOn-site Laboratoryプログラムに参入し,“京都大学On-site Laboratory 「Mahidol環境学教育・研究拠点」”の活動を展開してきました。
第5回目となる本ワークショップは本学の地球環境学堂が主催し,新型コロナウイルス感染症の影響により昨年に引き続きオンラインでの開催となったものの,京都大学とマヒドン大学を中心に研究者や学生116名(京都大学57名,マヒドン大学54名,その他5名)が参加しました。
河野泰之 京都大学 副学長と,Banchong Mahaisavariyaマヒドン大学学長による開催の辞から始まり,次に藤井 滋穂 地球環境学堂名誉教授から,オンサイトラボラトリーMahidol環境学教育・研究拠点の概要および近年の取り組みについての講演がありました。
続いて,4つの分野((1) 地球環境工学,(2) 化学工学,(3) 農学・生態系,(4)公衆衛生に分かれ,京都大学およびマヒドン大学双方の研究者から近年の研究成果や教育・研究活動の展開について情報交換が行われました。
午後からは,Special Session「Decentralized water and waste management systems in rural areas」が開かれ,京都大学とマヒドン大学が新たに立ち上げた最新の共同研究プロジェクトについて話題提供が行われました。
その後,Plenary Sessionでは,午前中に行われた分科会の内容について,各分野のコーディネーターから報告があり,分野を超えての情報共有および意見交換が行われました。また,各分野からは,京都大学とマヒドン大学のダブルディグリープログラムの学生や,共同研究を実施している若手研究者から,研究活動や経験について話題提供が行われました。総括討論では,縄田栄治 国際戦略本部 ASEAN 拠点所長が座長をつとめ,最新の共同研究や教育連携を基点に活発な議論が交わされました。
最後に,Thanapat Wanichanonマヒドン大学工学研究副課長と,勝見武 地球環境学堂長による閉会の辞をもって,ワークショップは閉幕しました。
京都大学とマヒドン大学の共同研究および教育活動に関する活発な情報交換が成されたことはもちろん,研究・教育における協働が新たに創出され,実りある会となりました。京都大学およびマヒドン大学双方の学内における活動は着実に成果をあげており,今後の展開が期待されます。